短期間でみるみる体重が落ちることで人気の高い「糖質制限ダイエット」ですが、実は危険な落とし穴が隠されているかもしれないのです。
糖質とは、主にご飯やパンや麺類などがあげられますが、この「糖質制限ダイエット」や「低炭水化物ダイエット」は、毎日の食事から糖質を含む食べ物を極力食べないように控え、そのかわり、その他のもの特に「お肉は好きなだけ食べてもいい!」というものでもあります。
やせる理由はインスリンにあった!
糖質を摂取することで、インスリンという物質が分泌され細胞に取り込まれますが、血液中にブドウ糖が増えすぎることでインスリンが過剰に分泌され、増えすぎたブドウ糖はどんどん細胞内に取り込まれ、その一部が脂肪へと変わり皮下脂肪として、体内へ蓄積されることで肥満の原因となります。
ですが糖質ではなく、たんぱく質や脂肪は、この太る原因を招いてしまうインスリンが分泌されにくく、どれだけ食べても脂肪が増えることがないということから、糖質制限ダイエットの人気の秘密なのかもしれません。
ただ、やせることはとても嬉しいことですが、無理な糖質制限はかえって身体に大きな負担を与えてしまうこととなりうるのです。
身体に危険なワケ
ブドウ糖を栄養にしている臓器は4つあり、「肺の粘膜」、「神経組織の内膜」、「眼の水晶体」、「血管壁」があります。
この他にも、脳もブドウ糖を栄養源としていますが、脳はブドウ糖がないときはアミノ酸からブドウ糖をつくる糖新生や、脂肪を分解してつくるケトン体を栄養素にするため、この4つには含まれていないようです。
糖質制限ダイエットを長期間し続けることで、4つの臓器の栄養が不足してしまい負担をかけることとなるのです。
高まるリスク
肺気腫、神経痛、白内障を引き起こしたり、血管にダメージを受けたり、動脈硬化、腎不全など生活習慣病を引き起こす原因ともなっています。
何よりも腸内で起こる「発酵」「腐敗」「酸敗」「異常発酵」の4つの現象のうちの一つである「発酵」が起きず、かえってたんぱく質の摂り過ぎで起こる「腐敗」や、脂肪の摂り過ぎで起こる「酸敗」が起きてしまうからです。
腐敗や酸敗の結果に生じた窒素残留物が、がんや様々な病気の発症を招いてしまうのです。
大切なことは、身体の健康を維持するうえで必要な「発酵」がなければ、善玉菌のビフィズス菌が作る有機酸の短鎖脂肪酸も作れないということなんです。
よろしければこちらもご覧ください。
腸内現象を引き起こす原因は?→【生活習慣病を招く原因は?~消化不良が原因で起こる腸内現象~】
身体に必要な短鎖脂肪酸→【短鎖脂肪酸の働き】
このように糖質制限ダイエットには隠された恐ろしさがあります。
糖質やデンプン、セルロースなど炭水化物は、体に必要でとても大切な栄養素だということがわかります。
過剰な摂取はせずに、適度でほどよい量を体に摂り入れることが、毎日の健康を向上させるのではないかと思います。
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