短鎖脂肪酸とは?
あまり聞きなれない名前ですよね。
この短鎖脂肪酸は、私たちの免疫力をあげて強い身体をつくりあげている重要な役割をしています。
短鎖脂肪酸の働き
大腸は腸内細菌働きを利用して、体内に入った有害物質を分解し排泄しますが、ただうんちをつくるだけでなく短鎖脂肪酸という「有機酸」をつくりだしています。
有機酸とは
人間の大腸内で腸内細菌が食物繊維(難消化性糖類)を発酵する際に生み出します。
この発酵は質の良いオリゴ糖、デンプン、食物繊維といった炭水化物を適量食べているときに起こります。
このように発酵が行われるということは腸内環境がとても良い状態で、有機酸は健康維持に欠かせない役割を果たしているのです。
短鎖脂肪酸の代表的なもの
・酢酸(さくさん)
・プロピオン酸
・酪酸
酢酸・プロピオン酸・酪酸は炭素数6以下の有機酸で、飽和脂肪酸で水溶性の食物繊維やデンプンなどの糖質でつくられる物質です。
体内で短鎖脂肪酸が作られる場所は腸内細菌がもっとも多い「大腸」で、腸内細菌である善玉菌が短鎖脂肪をつくるときに働き、これらの有機酸によって私たちの免疫力をあげたり健康を維持するうえで重要な働きをすることがわかってきたようです。
そして、発酵によって作られた短鎖脂肪酸の95%が大腸粘膜から吸収され、全ての消化管と全身の臓器の粘膜上皮細胞の形成と増殖を担っています。
吸収された短鎖脂肪酸はどうなるの?
大腸粘膜のエネルギー源として利用されます。
大腸壁を維持し、粘膜に隙間が開いて体に細菌が侵入するのを防いだり、胃液・腸液・膵液・胆汁の粘液を分泌させています。
短鎖脂肪酸が不足するとこれらが十分に分泌できず、バリア機能が弱まります。
胃などは胃粘液がないと胃壁からでる強い胃酸によって穴が開いてしまいます。
また、涙や唾や鼻水などの液体も短鎖脂肪酸によってつくられ、酢酸とプロピオン酸は肝臓や筋肉で代謝利用されます。
このように、短鎖脂肪酸の受容体が全身の様々な部位にあり、短鎖脂肪酸はこれらの部位の生体調節機能を果たしています。
その他にも体内に吸収される前の腸管でも重要な働きをしていて、短鎖脂肪酸は酸性の成分なので、短鎖脂肪酸ができると腸のPHも下げ弱酸性にして殺菌力も高めています。
弱酸性であると悪玉菌の出す酵素の活性が抑えられるため、発がん性物質である二次胆汁酸や有害なアンモニア、アミン、硫化水素、インドール、フェノールといった腐敗産物ができにくくなり腸内環境が健康に保たれます。
酢酸によって大腸の粘膜が刺激されることで蠕動運動が促されお通じをスムーズにし、善玉菌が増えることで悪玉菌の増殖を抑えます。
また、弱酸性になることでカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが水溶性に変化するため、より体内に吸収しやすくなりミネラル不足を補うことができると言われています。
短鎖脂肪酸を増やす食品
水溶性食物繊維
・バナナ・りんごなどの良く熟した果物
・昆布やわかめなどの海藻類
不溶性食物繊維
・穀類
・大豆
・きのこ類
他(発酵食品)
・黒酢、酢、酢の物
・梅干し
・漬物
・ピクルス
・らっきょう
・キムチ
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