食べ過ぎることで、腸内では様々な現象が起こっています。
私たちは日頃食べ物を摂取することで、身体が形成され健康を維持できているのですが、人が体に摂り入れる必須栄養素の中には炭水化物、たんぱく質、脂質の三大栄養素があります。
この栄養素を摂り入れ消化・吸収されることで、腸内では「発酵」「腐敗」「酸敗」「異常発酵」という四つの現象がおこります。
「発酵」は健康へと向かう!
適度な量の、質の良い炭水化物(デンプン・オリゴ糖・食物繊維)を摂り入れることで善玉菌が働き、有機物を分解することで発酵が起こります。
このとき有機酸とガスが発生しますが、このガスは二酸化炭素と水素、メタンガスであるため匂いがありません。
発酵で産生する「有機酸」とは
大腸内で腸内細菌である善玉菌が持つ酵素の力によって、食物繊維やオリゴ糖などを発酵することで「有機酸」が生成されます。
この有機酸が「短鎖脂肪酸」です。
炭素の数が6以下のものが短鎖脂肪酸と呼ばれ、酢酸、プロピオン酸、酪酸などがふくまれ、水溶性の食物繊維や糖質の発酵で生じる物質です。
その働きは人間の免疫力を上昇させ、健康を向上・維持させるうえで重要な働きをしています。
短鎖脂肪酸は、炭素の鎖の連結が短いので分解されやすくすぐにエネルギー源として利用されますが、鎖が16以上ある脂肪酸は体脂肪として蓄積されます。
健康を向上させるうえでも、短鎖脂肪酸は最近大きな注目を集めているようです。
「腐敗」「酸敗」「異常発酵」は不健康へと向かう
これら三つは消化不良が原因で起こります。
「腐敗」
腸内の悪玉菌(腐敗菌)がたんぱく質をエサにして生じる現象のことで、たんぱく質は小腸で膵液や腸液に含まれる、様々な酵素により消化されアミノ酸になります。
その時、消化する酵素が不足していたり、たんぱく質を過剰に摂取してしまうと消化不良を起こし、吸収させなかったたんぱく質は、大腸内にとどまり腐敗の原因となるのです。
過剰なアミノ酸や消化のされていないたんぱく質は悪玉菌が分解しアミノ酸代謝産物である「窒素残留物」ができます。
これは人体にとても有害なものです。
代表的な窒素残留物
・スカトロール
・インドール
・アミン
・フェノール
・硫化水素
・アンモニア
これらは特有の強い刺激臭を持ち、これらはすべておならの臭いニオイの原因であるだけでなく、様々な有害物質は血液を汚し、産出された大量の老廃物が組織に停滞した結果、血行不全などが引き起こされ、生活習慣病を招くようになります。
たんぱく質の過剰摂取によって消化不良が起こるだけでなく、これらの有害物質は強烈な発がん物質であるニトロソアミンを作り出すともいわれています。
身体にとって大切なたんぱく質ですが、過剰摂取することで生活習慣病やがんになる危険も大きいということです。
「異常発酵」
炭水化物の摂り過ぎによって起こるは異常発酵は、適度な量だと発酵現象を起こし健康に良いのですが、やはり摂り過ぎは腐敗の元となります。
食べ過ぎ、夜遅くい食べる、食べてすぐに寝る、過剰なストレス、食材を加熱したものを多く摂取すると消化がスムーズに行えず、異常発酵の原因となります。
食物酵素の働きが悪く消化作業がスムーズに行われず、炭水化物の残留物が腐敗しおならも臭くなり、このとき腸内が発酵状態だとニオイのないおならで、異常発酵している場合は臭くなるので、おならのニオイは大きな目安となります。
「酸敗」
油脂が腸内で酸化し腐敗する現象です。
酸敗は大腸の悪玉菌が繁殖したり、二次胆汁酸できたり、二次胆汁酸ができるときに悪玉菌が、腸内のアミノ酸を引っ張てきて窒素残留物がつくられますが、これが問題となっています。
一次胆汁酸とは?
人での代表的な二つの胆汁酸は、肝臓でできるコール酸とケノデオキシコール酸です。
人間は一日に1リットル体内で生成し脂肪を乳化し、消化酵素のリパーゼの働きを助けたり、腸の蠕動運動を活発にし排泄しやすくします。
その他には、毒性細菌を殺すなど多くの役割を担います。
二次胆汁酸とは?
腸内細菌の悪玉菌によって胆汁が、リトコール酸、デオキシコール酸などに変化したものです。
二次胆汁酸は猛毒で窒素残留物が作るニトロソアミンと一緒になると、大腸がんの大きな問題となるようです。
それだけでなく、そこから生じる毒素が全身に回り、痛みやコリの症状となり、最終的に生活習慣病や難病などを引き起こします。
酸敗の原因として脂肪の摂り過ぎや酸化や劣化した油、トランス脂肪酸など質の悪い脂肪の摂取も大きな原因となります。
体に必要とされている三大栄養素を摂り過ぎることは、身体に大きな負担をかけるので、質の良い食材を適度な量ほど摂取していくことが健康へと繋がります。
そして体に必要な油も適度に摂り入れましょう→【質の良い油の種類~体に良い油を取り入れるには?】
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